離婚で夫は売却したいが妻が出ていかない場合

どちらかが家を売りたいと思っている場合でも、相手が売りたくない場合は大変です。このページでは、ご主人はマイホームを売却したいが、妻が出て行かないと主張している場合についてです。

 

夫は売却したいが、妻が出ていかないと主張

夫名義のマイホームに妻と子供が住んでいる。売りたいので出て行って欲しいと言っても、なかなか引越し先が見つからないなどの理由で出て行かない。査定に出したが、この状態では売りに出せないと言われてしまった。どうしたらいいか?

 

とても難しい問題

これはすごく難しい問題です。離婚届を出す前、出した後、のどちらでも大変です。警察に言ってどうにかなる問題ではありません。結論から書くと、すべてご主人名義の家であっても、奥様と子供が住み続けることになる可能性があります。こう裁判所が判断したケースがあります。

 

妻が住み続けて良いという例も

名古屋高裁平成18年5月31日決定

離婚して、奥様と子供の生活が困窮する場合、裁判所が「子供が小学校を卒業するまでの間、扶養的財産分与として夫を貸主、妻を借主として使用貸借契約を設定するのが相当」としました。その他、奥様が家賃を払って、一定期間、奥様と子供が住み続けると決定されたケース(賃貸権)もあります。これらは単純な財産分与とは少し違います。

ざっくり書くと、裁判しても、絶対に奥様と子供を追い出して家を売却できるというわけではない、ということです。

 

勝手に売っていいか?

さすがに売却したらそのうち出ていくだろう、と思うかもしれません。しかし、人が住んでいる家を売るのは困難です。誰もそんな面倒な家を買いたくはありません。不動産会社に嘘をついて売却の手続きをすることは可能かもしれませんが、現実的には無理だと思います。

 

売れるまでの住宅ローンの負担は?

じゃあ、もう知らない。俺は出て行くから、その代わり、住宅ローンは妻に払って欲しい、という場合です。

これも難しいでしょう。法律的には住宅ローンの名義人が払うことになります。住宅ローンの支払いは資産形成の側面もあるため、単純に婚姻費用(生活費)と相殺できるとは限りません。

一般的な奥様であれば、生活費はいらない、もしくは減額していいから住み続けたいと言うと思います。しかし、奥様が専門家に相談すると、こうしたこともアドバイスされると思います。

 

どうすれば良いか?

円満に話し合うことが最善です。法律的に強制的に追い出すことは困難です。いつまで住み続けたいのか、その間の住宅ローンの負担をどうするのか、奥様の希望なども含めて話し合いをオススメします。

 

奥様の立場で考えると…

ご主人に出ていけと言われたところで、すぐに出ていく義務があるとは限りません。

ただ、現実的には婚姻費用が貰えなくなるなど困るケースもあります。また、離婚して児童扶養手当や児童手当を受け取った方が金銭的にも楽かもしれません。その他、ご主人が光熱費の支払いを止めてしまうと、暮らすこともできません。

お互いのために、できるだけ円満な話し合いをオススメします。